先日、Amazon を見ていたら、Mac Studio の新モデル「M5 Ultra」の予約ページが出ているのを見つけました。
今回の Mac Studio M5 Ultra は、30コアCPU、64コアGPU、96GB のユニファイドメモリ、1TB SSD という構成からスタートします。
価格は、949,800円。
なかなかのお値段です。
僕が普段使っているのは、Mac mini M4、32GB ユニファイドメモリ、1TB SSD(2026年2月頃に 税込 214,800円で購入)。
ローカルLLM を動かすために、Ollama を使っていろいろなモデルを試してきました。
そんな僕からすると、「 Mac Studio M5 Ultraの96GB って、ローカルLLM 用に買う価値があるのだろうか?」というのは、ちょっと気になるところです。
もちろん、僕自身はまだ M5 Ultra を所有していません。
なので、今回はベンチマークのように「このモデルが 何 tok/s で動いた」といった話ではありません。
Mac mini M4 32GB で実際に ローカルLLM を使ってきた経験から、96GB の Mac Studio にすると何が変わるのか、そして本当に 100万円近く払う価値があるのかを考えてみます。
- まず、Mac Studio M5 Ultra はどんなマシンなのか
- Mac mini M4 32GB でも、ローカルLLM はかなり使える
- Gemma 4 31B も動く。でも、僕は 26B を使っている
- では、96GB になると何が変わるのか?
- 96GB は「もっと大きな AI を使うための余裕」と考えたほうがいい
- でも、個人で約95万円はどうなのか?
- それでも、96GB の Mac Studio を検討してもいい人
- 高い Mac を買っても、宝の持ち腐れになる可能性はある
- 256GB や 512GB になると、個人の趣味から少し離れてくる
- ちなみに、Apple Store で 256GB モデルを作ってみた
- ストレージはどうする?
- では、僕ならどの Mac Studio を選ぶ?
- Mac mini M4 32GB でも、まだまだ使える
- 「動く」から「実用」、そして「何に使うか」へ
まず、Mac Studio M5 Ultra はどんなマシンなのか
M5 Ultra 搭載 Mac Studio には、30コアCPU・64コアGPU の構成と、36コアCPU・80コアGPU の構成があります。

ユニファイドメモリは 96GB が標準で、256GB、さらに 512GB まで選択できます。

Apple の仕様を見ると、M5 Ultra は 1.2TB/s のメモリ帯域幅を備え、最大 512GB のユニファイドメモリを搭載できます。
Apple 自身も、ローカル AI モデルの利用を M5 Ultra の用途として紹介しています。
つまり、単なる「ものすごく速い Mac 」というだけではなく、大容量メモリを必要とする AI 用途を意識した Mac でもあります。
僕が気になるのは、やはりこの「大容量メモリ」です。
Mac mini M4 32GB でも、ローカルLLM はかなり使える
僕が今使っているのは Mac mini M4 の 32GB モデルです。

これでも、ローカルLLM はかなり楽しめます。
Ollama を使って、いろいろなモデルをダウンロードして試してきました。
モデルによっては、35Bクラス、容量にすると 20GB 前後のモデルも動かせます。
ただし、ここで重要なのが、「メモリに載って動く」と「実用的な速度で使える」は違うということです。
これは ローカルLLM を実際に使ってみると、かなり大きな違いだと感じます。
Gemma 4 31B も動く。でも、僕は 26B を使っている
例えば Gemma 4。
僕の環境では、Gemma 4 31B も動かすこと自体はできます。
「32GB の Mac で 31B が動く」と聞くと、すごそうに感じますよね。
でも、実際には重い。
動くからといって、普段使いしたいかというと、話は別です。
そのため、僕が実際に使っているのは Gemma 4 26B です。
この違いは、ローカルLLM を選ぶときにはかなり重要だと思っています。
モデルの容量がメモリに収まるかどうかだけを見て、PCの性能を判断することはできません。
モデルの種類、量子化方式、メモリ帯域、コンテキスト長などによっても変わりますし、何より「自分が実際に使っていてストレスを感じないか」が重要です。
「動いた!」だけでは、実用環境にはなりません。
では、96GB になると何が変わるのか?
ここが今回、一番考えてみたいところです。
僕の Mac mini M4 は 32GB。
Mac Studio M5 Ultra の標準構成は 96GB。
単純にメモリ容量だけ比較すれば、3倍です。
もちろん、ローカルLLM の性能をメモリ容量だけで比較することはできません。
メモリ帯域幅も違いますし、CPU や GPU も違います。
それでも、32GB から 96GB になることで、「そもそも選べるモデルの範囲」が広がるというのは大きいと思います。
僕の環境では、20GB 前後のモデルでも「これ以上大きくなると、実用性とのバランスを考えたい」と感じます。
96GB になれば、その制約がかなり緩くなる。
30Bクラスだけでなく、さらに大きなモデルを量子化して試すことも現実的になってきます。
70B~80B クラスのモデルも、少なくとも「メモリ容量的に検討する」という段階に入ってくるでしょう。
ただし、ここは注意したいところです。
「96GB なら 70Bが快適に動く」と断言しているわけではありません。
メモリに載ることと、実用速度で動くことは別だからです。
僕自身、31B が動くけれど 26Bを使っている、という経験をしています。
だからこそ、「動くモデルが増える」ことと、「快適に使えるモデルが増える」ことは分けて考えたいと思っています。
96GB は「もっと大きな AI を使うための余裕」と考えたほうがいい
僕なら、96GB の価値は、「31B が動くようになること」ではないと思います。
31B 程度なら、すでに 32GB 環境でも動かせるからです。
そうではなく、「31B より大きなモデルを選択肢に入れられる余裕」に価値がある。
これまで、「このモデル、面白そうだけど大きすぎるな」と諦めていたモデルを試せる。
モデルを用途ごとに入れ替えながら使う。
長いコンテキストを扱う。
AI エージェントなど、LLM 以外の処理も同時に動かす。
そういった使い方を考えると、96GB という容量には意味が出てきます。
でも、個人で約95万円はどうなのか?
ここは正直に言って、高いです。
僕が使っている Mac mini M4 32GB とは、そもそも価格帯が違います。
2026年8月30日時点で Apple Store を確認すると、M5 Ultra・96GB・1TB の Mac Studio は 949,800円でした。
Amazonでも同じ96GB・1TB構成の予約ページを確認できます。
【PR】Amazon で Mac Studio M5 Ultra 96GB・1TB を見る
この価格を見ると、「いや、Mac mini でいいやん」となる人も多いと思います。
僕も、普通に AI を使いたいだけなら、そう思います。
それでも、96GB の Mac Studio を検討してもいい人
では、どんな人なら約95万円を払う意味があるのでしょうか。
僕が思うのは、AI をかなり使い倒したい人です。
例えば、
- ChatGPT などの AI サブスクをできるだけ減らしたい
- API 課金を気にせず AI を使いたい
- ローカルLLM を大量に使いたい
- 機密性の高いデータをクラウド AI に送りたくない
- 自分専用の AI 環境を長期間持ちたい
- 大きなモデルをいろいろ試したい
- LLM だけでなく画像生成や音声、OCR などもローカルで扱いたい
こういう人なら、単純な「パソコンの価格」だけでは判断できなくなります。
例えば、毎月いくつもの AI サービスに料金を払っている。
さらに API も使っている。
それでも、「もっと使いたいけど、料金が気になる」となっている。
それなら、一度大きなローカル AI 環境を購入して、そこに投資するという考え方もできます。
もちろん、買えば元が取れるという話ではありません。
ここはかなり重要です。
高い Mac を買っても、宝の持ち腐れになる可能性はある
僕はここを一番強調したいです。
Mac Studio M5 Ultra を買ったからといって、突然 AI を使いこなせるようになるわけではありません。
96GB のメモリがあっても、「結局、ChatGPT に質問するだけ」なら、持て余す可能性があります。
大きなモデルを動かせても、「結局 26B くらいのモデルで十分だった」となるかもしれません。
せっかく 100万円近く払ったのに、ほとんど使わない。
これは十分あり得ます。
だから、「この Mac なら何ができる?」ではなく、「自分は AI を何に使うのか?」から考えたほうがいいと思います。
256GB や 512GB になると、個人の趣味から少し離れてくる
Mac Studio M5 Ultra は、さらに 256GB、そして 512GB のユニファイドメモリを選択できます。
512GB のメモリ構成は 2026年10月下旬発売予定です。
ここまで来ると、僕はちょっと考え方が変わってきます。
256GB、512GB の Mac Studio を、「個人で ローカルLLM を楽しむためのパソコン」として考えるのは、かなり贅沢です。
むしろ、企業や業務用途で AI を導入するためのマシンとして考えたほうが自然なのではないでしょうか。
例えば、
- 病院
- 工場
- 研究機関
- 金融・士業など機密情報を扱う企業
- インターネット接続を制限している環境
- 社内文書を外部 AI に送れない環境
など。
こうした環境では、「クラウド AI を使えばいい」と言えないケースがあります。
そこで、社内に AI を置く。
社内のファイルを検索する。
文書を要約する。
OCR する。
社内データを使って回答する。
場合によっては AI エージェントとして業務を自動化する。
そう考えると、数十万円、あるいは100万円を超える設備投資にも意味が出てくるかもしれません。
もちろん、Mac Studio がファイルサーバーの完全な代替になる、という話ではありません。
ただ、「これから AI を業務に組み込むための設備投資」として考えるなら、見え方は変わってきます。
ちなみに、Apple Store で 256GB モデルを作ってみた
ここで、ちょっと遊んでみました。
M5 Ultra の Mac Studio を Apple Store でカスタマイズ。
36コアCPU、80コアGPU。
256GB のユニファイドメモリ。
そして 16TB SSD。
すると…3,253,800円。

300万円超えです。
さすがに、「Mac Studio、買っちゃおうかな」という気軽な金額ではありません。
ただ、面白いのは、ここまでいくと「パソコンが高い」という話だけではなくなることです。
例えば業務用途で、
という明確な目的があるなら、300万円という価格も見方が変わります。
結局、そのマシンで何をするのかなんですよね。
ストレージはどうする?
ローカルLLM を使うなら、メモリだけでなくストレージも悩ましいところです。
僕自身、Mac mini M4 は 32GB・1TB を使っています。
最初は、「512GB でもいいかな」と思っていました。
でも、今は 1TB にしておいて本当によかったと思っています。
なぜなら、LLM のモデルは、とにかくストレージを食うからです。
例えば 20GBのモデルを1つ入れる。
別のモデルも試してみる。
さらに別のモデル。
画像生成モデル。
ComfyUI 関連。
その他の AI ツール。
気がつくと、かなり容量を使っています。
僕の場合、モデルを入れ替えながら使っているので、1TB でもすでに半分くらいを使っています。
ローカル AI を始めたばかりの頃は、「512GB で十分じゃない?」と思っていました。
でも今なら、「1TBにしておいてよかった」と思います。
Mac Studio M5 Ultra なら 1TB が標準で、2TB、4TB、8TB、16TB へ変更できます。

僕なら ローカルLLM を本格的に使うなら、最低でも 2TB くらいから考えたい。
4TB にしたいけれど予算が厳しいなら、2TB に妥協して、後から必要に応じて外付け SSD を追加する。
そんな選択もありだと思います。
ストレージは外付けという逃げ道があります。
でも、ユニファイドメモリは後から増やせません。
だから、僕なら、予算を削るならストレージから。メモリは慎重に選ぶ。という考え方をします。
では、僕ならどの Mac Studio を選ぶ?
もし僕が今、ローカルLLM を目的に Mac Studio を購入するとしたら。
まず考えるのは、M5 Ultra・96GB です。
CPU や GPU を上位構成にする前に、まずメモリ容量を確保したい。
そしてストレージは、2TBくらいを選びたい。
4TB が理想だけど、価格とのバランスを考えると 2TB。
そして足りなくなったら外付け SSD を追加する。
これが僕なら現実的かなと思います。
一方で、
という人なら、256GB を検討する意味が出てくるでしょう。
さらに 512GB となれば、個人の趣味というより、明確な業務用途が欲しくなります。
Mac mini M4 32GB でも、まだまだ使える
ここまで Mac Studio M5 Ultra の話をしてきましたが、最後にこれだけは書いておきたい。
僕は今も Mac mini M4 32GB を使っています。
そして、これで困っているわけではありません。
gemma4:26b を使ったり、gpt-oss:20b を使ったり、用途によってモデルを変えたり。
Ollama を使って ローカルLLM を実際の作業に取り入れることもできています。
AI 活用事例 より
だから、「32GB では足りないから M5 Ultra が必要」という話ではありません。
むしろ、32GB でもここまでできるからこそ、その先にある 96GB の世界が気になる。
僕にとっては、そんな感じです。
「動く」から「実用」、そして「何に使うか」へ
ローカルLLM について調べていると、
という話をよく見かけます。
もちろん、それは面白い。
僕もそういう実験をたくさんやってきました。
でも、実際に使っていると、動くことと、実用になることには大きな差があります。
そして、その先にはもう一つ、「実用になる」と「そのために100万円払う価値がある」も別の話があります。
Mac Studio M5 Ultra 96GB は、確かに僕の Mac mini M4 32GB より、ローカルLLM の選択肢を大きく広げてくれると思います。
でも、それだけで「買い」とは言えません。
自分が AI をどう使うのか。
どんなデータを扱うのか。
クラウド AI ではできないことがあるのか。
AI によってどれくらいの時間やコストを削減できるのか。
そこまで考えて、「この金額を払ってでも欲しい」と思えるなら、初めて Mac Studio M5 Ultra を検討する意味があるのだと思います。
個人にとっては、96GB でも十分に夢のマシンです。
256GB、512GB となれば、もはや僕には夢のさらに先。
でも、業務で AI を使うことで、それ以上の価値を生み出せる人にとっては、100万円、200万円、あるいは 300万円という価格も「高いから無理」だけでは判断できないのかもしれません。
結局、重要なのは Mac Studio の性能ではなく、「その性能を使って何をするのか」なのだと思います。
そして僕は、今のところ Mac mini M4 32GB で、もう少し遊んでみようと思います。
…でも、M5 Ultra 96GB はちょっと欲しいですけどね 😌
































