Gemma 4 の動作が Apple Silicon 環境で高速化
Ollama 0.31 において、Apple Silicon を搭載したデバイス上での Gemma 4 の生成速度が大幅に向上しました。コーディングエージェントのベンチマークにおいて、平均して 90% 近く高速化されることが確認されています。この高速化機能はデフォルトで有効になっており、モデルの出力内容(回答の質)が変わることはありません。
マルチトークン予測(MTP)による仕組み
今回の高速化を実現しているのは、マルチトークン予測(MTP)という技術です。この仕組みでは、メインとなる大きなモデルと並行して、非常に軽量で動作が速い「ドラフトモデル」が動作します。まずドラフトモデルが次に続く数個の言葉(トークン)を先行して予測します。その後、メインのモデルが一括してその予測内容が正しいかどうかを検証し、一致した部分を採用します。ドラフトモデルはメインモデルに 比較してサイズが非常に小さいため、予測にかかる計算コストを低く抑えられます。予測が的中した場合、一度の計算工程で複数のトークンを確定させることができるため、生成効率が劇的に向上します。
コーディング作業における具体的な利点
プログラミングなどの作業においては、この技術の恩恵を特に強く受けることができます。プログラムのコードには、括弧の閉じや繰り返される変数名、定型的な記述といった、予測しやすいパターンが多く含まれています。そのためドラフトモデルによる予測が的中しやすく、生成速度の向上が顕著に現れます。ファイルを読み込みながら自律的にタスクを進めるコーディングエージェントにおいて、レスポンスの改善は大きなメリットとなります。
技術的な最適化の詳細
適切な予測範囲の自動調整
予測するトークンの数は、モデルの種類やハードウェアの状態によって最適な数が異なります。予測しすぎると検証に時間がかかり、少なすぎると効率が低下するため、Ollama は実行中にリアルタイムで最適な長さを選択します。予測が当たらない場面では、通常の 1 トークンずつの生成プロセスに戻るため、速度が低下することはありません。
GPU を活用した効率的な検証プロセス
ドラフトモデルによる予測からメインモデルによる検証までの一連の工程を、すべて GPU 上で完結させています。これにより、CPU と GPU の間でデータをやり取りすることによる遅延を防いでいます。また、もし予測が外れた場合でも、計算済みのキャッシュを効率的に巻き戻す(ロールバックする)仕組みを備えています。
MLX への新しい計算手法の導入
複数のトークンをまとめて検証する際の効率を高めるため、MLX に対して新しいカーネル(計算手法)を導入しました。この新しい手法では、重みのデータを一度読み込むだけで、まとまった数のトークンの検証に再利用できます。これにより、特定の環境における行列計算の速度が 2 倍から 2.5 倍にまで向上しています。
このアップデートのメリット
- Apple Silicon を搭載した Mac で大規模言語モデルを動かしている開発者
- コーディングエージェントなどのツールを利用しており、より高速なレスポンスを求めているユーザー
- ローカル環境での AI 動作の効率化と、作業の待ち時間短縮を実現したい方
参考情報:Faster Gemma 4 on MLX with multi-token prediction
※ この記事は、Mac mini M4(32GB)環境で ローカル LLM(Ollama / gemma4:26b)と n8n を組み合わせて生成した実験的な記事です。内容は確認していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な情報は公式情報をご確認ください。




















